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下田のプロサーファー大野選手がサーフィンファンイベントを開催!ALOHA SURF JAM 2017

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ALOHA SURF JAM

“シンプルに波に乗る楽しさを参加者みんなで共有できるビーチイベント”をコンセプトに、2017年9月16日(土)下田の多々戸浜ビーチで初開催された。

当初2日間の開催予定だったが、あいにくの台風に見舞われ1日での開催に。

ここ多々戸浜は、例年サーフィンの大会が開催される下田を代表する波乗りスポット。

全国からいい波を求めてサーファー達が集まる場所でもある。

このイベントは、タイトルに付けられている”ALOHA”が示す通り”ハワイ”につながるイベント。

イベント内の競技種目として、20歳までは性別問わず誰でもエントリー可能なフリースタイル競技”Fun The Mental”と、プロの公式戦ルールで行われる競技”Ronin Surf Tour”の2つが開催され、その優勝者にはハワイ往復航空券が副賞として贈られる。

獲得条件はどちらも20歳未満、日本のジュニアサーファーに向けた夢の切符だ。

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“Fun The Mental”競技の準備風景

会場に置かれたさまざまなサーフボード(シングルフィン、ツインフィン、クアッド、スラスター、ワイメアガン、レトロビンテージボード、モダンハイブリッド、ロングボードからアライア、ハンドプレーン、etc)の中から好きなボードを選ぶ。

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競技の途中に一度ボードをチェンジすることがルールとなっていることも面白い。

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普段使用しているものとは異なる新たなボードへのチャレンジ、そしてその場で波に乗る、そんな偶発的な状況の中で楽しくサーフィンできた者が勝者となる。

一方、

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“Ronin Surf Tour”はプライオリティーシステムという世界的なルールを採用した本格試合。
プライオリティーシステムとは、どの選手が次の波に乗る優先権を持っているかをカラーパネルにより表示するシステム。

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選手同士が波を取り合って接触したり、2人の選手がポジションを競い合って波の奥に入り過ぎ、2人とも波を逃してしまったりすることを防ぐことができる。

さらには、観覧している側にとっても「次はあの選手に注目しておこう」という見方ができるようになる。

TOKYO2020でサーフィンが追加種目になったということで、サーフィンがよりフェアで観客にも分かりやすいスポーツに変わっていくのだと感じる。

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そうしたシステムに若いうちから慣れていける機会は貴重だ。

会場では、ジャッジが引っ切り無しにプライオリティ順番の交代をマイクで叫びつつ実況中継していた。

どんなスポーツにも言えることだが、実況があると分かりやすく見ごたえもアップするから面白い。

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ちなみに競技のタイトルになっているRonin(ロニン)とは、下田発祥のアイウェアメーカーのブランド名。

このブランドの販売代理店であるスリースターと、

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下田多々戸を代表するサーフショップ”Baguse”(バグース)がALOHA SURF JAMの運営を行っている。

Baguseのブース内では、
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Tシャツのデザイン&プリントメーキングセッション by Tumble Dye

“Fun The Mental”の文字ブロックや波のマスキングを使用し、子供でも楽しく簡単にオリジナルサーフTシャツを作っていた。

協賛社や協力企業も多く、その中でもビーチ全体に存在感を出していたのが、

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屋外仕様のビーズクッションを販売している愛知のメーカー”hanalolo”(ハナロロ)

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カラフルなビーズクッションが砂浜に置かれるだけでビーチフェスの雰囲気が作られ、サーフィン観戦にも最適。

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アメリカの人気サーフブランド”REEF”は、子供達にキャップを無償サンプリング。

サーフ文化の浸透は、こうしたブランド体験からも作られていくことだろう。

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下田でサーフボードのリペアを行っている”Dalian Glass Works”は優勝賞品としてみんなで作るALAIAを提供。

ALAIA(アライア)とはサーフボードの起源と呼ばれるハワイ発祥のボード。

人類が本格的に波乗りを楽しみ始めた歴史的ツールであり、シンプルに波に乗る楽しさを参加者みんなで共有できる本イベントを象徴するアイテムだ。

Dalian Glass Worksは、ブース内でハンドプレーンのメーキングセッションも行っており、

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プレーンな板に自分で図面を引き、

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カットし、削り、

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オリジナルのハンドプレーンがその場で完成!

ハンドプレーンは、ボディーサーフィン(ボードを使わず身体だけで波に乗る)をより簡単に楽しめるギアとして最近注目を集めている。

自分で作ったハンドプレーンで波に乗る、想像しただけでも快感だ。

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地元からはキッチンカーも出店。

”みつや”は、夏期期間入田浜で自家製フルーツシロップのかき氷を販売しているお店。

この日はあいにくの台風に見舞われたため、身体が温まるスープにメニュー変更。

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そのお隣では、地元居酒屋”楠”によるカレーと肉巻きおにぎり販売。

地元の協力で一番目を引いたのがこちら、

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ALOHA SURF JAMのインスタ映えを演出した流木アーチだ。

制作者は地元吉佐美のサーファー、

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マサさん(左)とトオルさん(右)

イベントの約2ヶ月前から、多々戸〜弓ヶ浜で流木を拾い集めこの日のために準備してきた。

“Fun The Mental”の木工テキストは自宅工房でカットしたもの。

流木が巨大な波を描くこのオブジェ、ずっとビーチに残っていて欲しいと感じた。

その他、参加型ビーチアクティビティも賑やかに行われ、

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ヨガ ワークショップ by Silvia Bonfim

スタートと同時に、太鼓が鳴り響き輪になって魂のダンス!
エネルギッシュな展開。

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その後、身体と心を落ち着かせ体内のエネルギーと自然の音に耳を傾けていく。

「あなたの体内にあるエネルギーは、いったい何のため、誰のためにあるのでしょう?」

そんなシルビアさんの語りかけが印象的だった。

ヨガ一つとっても”Fun The Mental”の精神を感じる。

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子供達に人気だったのが、バランスをとってロープを渡るスラックライン。

下が砂浜という安心感のためか、奔放に大胆にチャレンジしていた。

そんな子供達には、

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プロトレーナー横手さんによるトレーニングセッション by Positive Link studio が開催された。

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サーフィンに限らず、下田のスポーツ合宿の定番メニューに最適ではなかろうか。

ビーチトレーニングは想像以上に辛いだろうが、何よりも楽しそうである。

このようにALOHA SURF JAMにはサーフィンを核としながらも多様なビーチの演出家たちが集まっていた。

「縁を頂いて知り合ったプロの方々に来て頂きました。」

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そう話すのはALOHA SURF JAMの発起人、大野修聖(おおのまさとし)さん。

大野さんは、下田出身のプロサーファー。

8歳からサーフィンを始め、15歳でプロテストに合格。
2004、05年と2年連続で日本プロサーフィン連盟(JPSA)の大会で総合優勝。
06年から、世界プロサーフィン連盟(ASP)の予選ツアーに本格参戦。

2020年東京オリンピックに向けて日本サーフィン連盟が発表した2017年度強化指定選手81名の中でも最高位Aランク10名の中に名を連ねている日本サーフィン界のアイコン的存在。

下田新聞
サーフィンは個人スポーツですが、どんな風に縁がつながるんでしょうか?

大野さん
世界を転戦していた時もそうですけど、僕なんか一人で動く事が多くて、ビーチで一人サーフィンしてるとローカルの子達が声かけてくれるんですよね。
「お前どっから来たの?」とか「アジアンの顔してるけどどこから?」とか。
それで「日本からだよ」って、そんな会話から始まって。
「じゃあ今日うちにご飯食べにおいでよ」とか「今日パーティーがあるから行こうよ」とか。
そういう感じで輪が広がっていってサーファーだけじゃなく色々なご縁が広がりましたね。

下田新聞
逆もあったりしますか?
海外の方が多々戸にきた時に声をかけるとか。

大野さん
もちろん。
そういう広がりがいいなと思って。
海外に行った時にそれをつくづく感じたので。

下田新聞
今回のイベントもサーフィンだけじゃない広がりを感じますね。

大野さん
はい、基本はサーフィンがベースにあるんですけどいろんなプロフェッショナルな人と出会うことで自分の趣味を見つけたりとか、プロフェッショナルならプロフェッションを見つけたりとかできるイベントにしたいなと思いました。
例えば子供達がトレーナーの横手さんを見て「かっこいいな、こうなりたいな」とか思って将来につながってくれたら嬉しいです。

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下田新聞
会場に掲げられている”Fun The Mental”にはどんな思いが?

大野さん
シンプルに波に乗るその気持ち良さだったり楽しさを思い起こそう、日本語的には
”ファンだメンタル”
楽しんだもの勝ちって感じです。
もともとサーフィンのはじまりはスポーツではなく趣味、この2つの軸が良い方向に向かっていくことがサーフィン文化にとっては大事です。
サーフィンがオリンピック追加種目になりプロサーファーがアスリート化していく今だから、趣味から始まったサーフィンカルチャーの側面を若い世代に感じてもらうことが大事だという思いを込めています。

下田新聞
今回二十歳までの優勝者にハワイへの切符が贈られます。向こうでどんな経験を期待していますか?

大野さん
サーフィンの聖地で波を経験することで経験値がすごい上がります、そこが一番です。
それは将来その彼、彼女にとってはすごい宝になると思いますし、また世界レベルのサーフィンをそこで見られるって事も凄くいい経験になります。

下田新聞
大野さんも経験してきたことですもんね!
ちなみにAloha Surf Jam2回目の構想は?

大野さん
もちろん思ってます。
けどイベントの開催って結構いろいろ細かい事があって(笑)。もちろん2回3回ってやっていきたい気持ちはあります。

下田新聞
今回みたいにいろんな協力者やご縁があると進みやすいですかね?

大野さん
気持ちで動いて来て頂ける、もうそれだけで充分ですね。そうした方々の情熱が集まれば多分ビューって動いていくと思うんで。

下田新聞
そうなるといいですね。

大野さん
ある事を願いましょう。願いたいです。

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今回大会運営をバックアップしたRoninの販売代理店スリースターの山田さんにイベント開催の経緯を聞くことができた。

山田さん
イベントの主催は大野修聖とジェイソン・シバタ(ハワイ出身)という2人のサーファーです。
2人が子供の頃、日本でもこういうハワイと日本との交流試合があったんですね。
けど途中でなくなってしまって、それをもう一度やりたいねっていう話しを2人がして。
初回は日本でやろうってなり、今年はハワイからトップジュニアサーファーを数人招待しています。

下田新聞
昔あったハワイとの交流がきっかけだったんですね。

山田さん
2人が子供の頃、大野君がハワイに行った時はシバタ君にお世話になり、シバタ君が日本に来た時にはこっちで交流持ったりとかして。
そんな風にこれからの若者もお互い行き来しながら始めようかっていう事ですね。

下田新聞
下田とハワイの交流、ワクワクしますね!

山田さん
シバタ君が昔下田にきた時、
「ここはハワイにそっくりだ」
って言ったんです。
それで毎年来るようになりました。
ここはけっこうハワイに似てる所があるんですね、伊豆半島はもともと本州とは離れた島だったと言われていますし。
同じ半島でも千葉とは全く違う雰囲気、ここは南国の雰囲気があるのでもっとサーフィンシーンが盛り上がると思っています。
あと下田に子供は結構いるんですけど、海が近いのに、むしろ近すぎるせいか、意外とサーフィンやる地元の子が少ないです。
よそのエリアからは子供がいっぱいサーフィンしに来るんですけどね(笑)。
一生懸命地元の人たちがサーフィン体験スクールを開いたりもしています、私たちもシーンを盛り上げられたらいいなと思っています。

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取材の中で大野さんは、「サーフィンをもっとメジャーにしたい」と話した。

これは、どんなスポーツかという認知度は高いが、趣味も含めた競技人口が圧倒的に少ないからであろう。

いい環境に恵まれた下田の子供達でさえそうなのだから。

サーファーはクールでかっこいい。
だから、若者も歳を重ねた中年でもサーフィンをはじめる人々も多い。

一方で、他のスポーツやアクティビティに比べ新規参入障壁が高いような気がするのは筆者だけではないだろう。

サーフボードの値段とか、ボードを運ぶ車の問題、難しそうだとか、ローカルコミュニティに入りづらいとか理由は色々あるとは思う。

大野さんの話を聞いていて思ったのだが、サーフィンが普及するためには”シンプルに波に乗る楽しさを知ること”が何よりだと。

そうして沖にデビューした時、「どこから来たの?」なんて軽いコミュニケーションや挨拶がサーファー同士で交わされれば、下田の浜に”ファンだメンタル”な空気が生まれるのだろう。

第2回ALOHA SURF JAMの開催が決まった時は、下田新聞でもお知らせいたします。

サーフィンへの参加はもちろん、観戦したり他のアクティビティを体験できたりするALOHA SURF JAMの2回目が楽しみだ。

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取材先:大野修聖
WEB: http://www.baguse.jp/teamrider.html

取材先:スリースター
WEB : http://www.ronineyewear.com/aboutus/

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