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下田に新たなリゾートカフェがオープン 海と森に近い ”wabi-sabi カフェ”

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アジアンリゾートカフェ

そんな言葉がぴったり似合うカフェが下田の吉佐美大浜近くに2017年7月に誕生した。

吉佐美エリアは、下田の中でも外国人ファンの割合がダントツで高い場所。

そんな外国人観光動向を探るため東京のキー局メディアから下田市観光協会への取材問い合わせも多い。

ここwabi-sabi(わびさび)もお客さんの半数が外国人、主にヨーロッパ系の方々が多いそうだ。

お店の場所は伊豆急下田駅から車で約12分、
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左折すれば吉佐美大浜ビーチまであと数十秒、

洋風でおしゃれなペンションやゲストハウスが立ち並ぶこの三叉路を右折すると

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旧道のトンネル。

ちなみにこの古ぼけたトンネルを逆から見る景色はなかなかに良い景色だ。

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トンネルの先に見えるのはアーネストハウスと言うゲストハウス。

暗がりの先から太陽の光に包まれた海辺の洋風別荘がだんだんと視界を占めていく感じは一種の高揚感を与えてくれる。

そこを抜けた先、そこから車で約1〜2分で到着する。

海まで徒歩3分くらいなのだが、
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お店は森の中にある。

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店内はキッチンカウンターと、

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開放感のある広々ウッドデッキ。

明るい木の柱と外に生い茂る緑、十分すぎる自然光が差し込むため、

DSC08323どこをどう撮っても

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フォトジェニック!

ところどころ懐かしい和のインテリアが散りばめられているところが面白い。

そんなおしゃれなリゾートカフェで食してもらいたいオススメメニューがこちら、
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” 豆腐サンドイッチ ¥800 ”

スイートチリソースが染み込んだホットな豆腐厚揚げサンド。

和洋アジアンを組み合わせた、まさに店の佇まいを象徴する一品。

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ガブリと口に含んだ瞬間、幾重にも積み上げられた厚揚げの隙間からジューシーな旨味が溢れ出る。

大豆は畑のお肉

と昔から言われているが納得、栄養面だけでない大豆のポテンシャルを高めまくった豆腐サンドに感服。

ヘルシーなのにボリューミー、男性でも満足度が高いはずだ。

こちらのメニューが食べられるのは、お店がオープンする9時からランチタイム14時まで。

この時間帯は他にも、

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” 自家製グラノーラと自家製ヨーグルトにフルーツとジャムを添えて ¥850 ” 

ギリシャヨーグルトのようにコシのある濃厚な自家製ヨーグルトとサクサク香ばしいグラノーラ、見た目に鮮やかなフルーツの組み合わせは、味・食感・見た目のバランスに優れた一品。

他にはシンプルなトースト&ジャム、オープンサンドイッチ、ブレックファーストセットなどのリゾートカフェメニューが提供されている。

14時〜18時までは、

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” 枝豆フムスをパンパーニッケルにのせて ¥600 “

昼下がりにビールやワインと合わせてもいいだろう。

他にはスムージーやスイーツも。

この日は、

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”バナナ、プルーン、黒ごまのスムージー 自家製グラノーラをトッピング ¥600-”
※金額は写真右のサイズ

18時〜20時のディナータイムは、
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”下田の夏野菜のパスタとサラダ ¥1,100-”

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”ミキさん特製インディアンカレーとマンゴーのお漬物とサラダ ¥1,100-”

このカレーだけは、外から仕入れている。

ミキさんは南伊豆のヒリゾ浜渡し舟近くで”うくの店”というカレー屋台を開いている方。

肉を一切使わない豆だけのベジタリアン仕様だが、22種のスパイスをブレンドした本格インドカレーで旨味とコクがたっぷり、少しザクザクっとした素材の食感がルーの中に残されていて旨い。

飲み物はフレンチプレスコーヒーや紫蘇ソーダなどのソフトドリンクの他、ビールやオーガニックワインなど10種類以上。

その中でもオススメが、
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” 生絞りオレンジジュース ¥500 “

フルーツの生絞り自体はどこでもよく見かけるメニュー。

居酒屋でぐりぐりグレープフルーツやレモンを絞って作るチューハイは、フレッシュで100%で気分もいい。

wabi-sabiカフェの生絞りオレンジは、他と何が違うか。

フレッシュさにおいて他を圧倒する。

注文すると、
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外に出て

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お店の裏手でもぎり

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ジュースに。

採って出し。

柑橘系フルーツは収穫直後が新鮮さのピークで時間とともにみずみずしさが失われる。
ちなみにメロン・キウイ・バナナのようなフルーツは収穫後に追熟、後熟し柔らかくなったり糖度の変化が起こるフルーツである。

オレンジのもぎたてを飲めるお店は伊豆広しといえども少ないだろう。

日によっては朝摘むこともあるし、毎回このような採って出しが行われるわけではないが、筆者が以前訪れて生絞りジュースを注文した時は席からこの光景の一部始終を見ることができた。

「え!あの時そんなところを見られていたんですか?恥ずかしい(笑)」

そう照れながら話を聞かせてくれたのが、お店のオーナー2人
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Angelaさん(左)とYasuさん(右)

アンジェラさんはオランダ出身、ヤスさんは大阪出身。

今から10年少し前、ヤスさんが苗場スキー場で働いていた時に観光客としてアンジェラさんが遊びに来たことが出会い。

下田新聞
お二人はすぐに仲良くなったんですか?

Yasuさん
そうですね。

Angelaさん
出会ったのは2月でした。
その年の9月には物件を探して12月にはゲストハウスをスタートしました。

下田新聞
えー!すごいスピード感ですね!
出会って半年くらいで一緒に苗場でゲストハウス探すとか。

Yasuさん
それが色々あって白馬だったんですよ。
今まで白馬には行ったこともなかったんですけど。

Angelaさん
友達から何で白馬いかないの?白馬いいよって言われて。
免許無かったから2人で自転車で白馬行って、川辺でキャンプしながら5日間くらい物件探して。
今日帰るっていう日に土地と建物が見つかったの。

下田新聞
ちなみにお二人はゲストハウスで働いた経験はあったんですか?

Yasuさん
未経験でした。
最初はゲストハウスというよりシェアハウスって感じで、友達が友達を呼んで、今度はその友達が他の友達とやってくるみたいな。
その物件で3年やったところで建物を出る事になって、スキー場の近くに”ロッジtabi-tabi”っていう名前でちゃんとしたゲストハウスをやり始めました。

下田新聞
なんか深く考えずに足が動き出す感じ、いいですね。
ゲストハウスtabi-tabiは下田にもありますね、お二人が下田にtabi-tabiを作ったきっかけは?

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Angelaさん
私とっても下田に住みたかった。
友達から吉佐美いいよって言われて15年前から本当によく遊びに来ていたんです。
当時冬以外は東京で英語の教師をやっていて、休みの日は一人でハイエースに乗って来たりしました(笑)
それでYasuにも下田行こうって誘って。

Yasuさん
その頃僕は、夏は江ノ島の海の家で働いていました。
夏海冬山生活、夏は江ノ島、冬は白馬っていう万年ハイシーズン生活です。
忙しい8月が終わった後、9月に下田で2週間くらいアンジェラと一緒に過ごすようになって、下田はやっぱり海がすごい綺麗だしのんびりした暮らしがあるなっていうのが肌で分かって、下田に住みたいって気持ちがだんだん強くなりました。
それでゲストハウスの物件もやっと見つかって。

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ここwabi-sabiカフェは、2014年にお二人が手がけた2つ目のゲストハウス”Retreat wabi-sabi”のレセプションスペースだった。

お客様がチェックイン・チェックアウトをする場所が今回リニューアルされ誰もが利用できるカフェに。

その話を聞いて納得できた。

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もともとカフェからはじまっていないため、wabi-sabiカフェの空間作りにはとても余裕を感じる。

長い旅の移動の終着点ならではのリラックスできる雰囲気。

下田に住んでいても、ここを訪れると旅先に来たような非日常の開放感や落ち着きを感じる。

その落ち着きの理由は建物の作りにも理由があった。

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wabi-sabiカフェの建物のあらゆるところに、古い和の建材や家具が使われている。

モノが発する懐かしさや温かさが感じられるから、居心地がよく落ち着く気がする。

しかし、ただ古い扉を再利用しているわけではない。

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背の高い外国人の方々にもリラックスできる開放感を作るために、日本家屋で使用されていた扉の高さをかさ上げしている。

お二人に聞くと、アップサイクル(Upcycling)の考え方でwabi-sabiは作られているという。

アップサイクルとは、リサイクル(再循環)とは異なり、単なる素材の原料化、その再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出す、持続可能なモノづくりの方法。

このアップサイクルの考え方は日本の”わびさび”の精神に通ずるという。

侘び寂びとは、散りゆく桜、落ち葉、こけに覆われた岩など、生き生きとした自然より、むしろ命が終わる様にさびれ廃れていく様子に情緒や美しさを見出す日本人特有の心。

wabi-sabiカフェの天井を見てみると、
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綺麗に塗装されたトタン屋根と、昔よく見かけた木の電柱の廃材。

今後トタン屋根が錆びて変色することを楽しみにすらしている。

Yasuさん
今できたばっかりだからトタンとか一切錆びてないし、綺麗に見えるんですけど、何年か経った後にトタンが錆びたりとか、ボコボコになった所を違う色のトタンで修理しなくちゃいけないとか、それがパッチワークみたいになるんじゃないかって思っています。
ゆくゆく10〜20年経ったらどうなるかな?
それがこう単純に綺麗に作られた美しさじゃなくて、年を経て出来た味みたいなものがwabi-sabi、日本語の”わびさび”ともマッチするんじゃないかなって。

Angelaさん
ここがボロボロの倉庫っぽい感じになったらいいねと2人で話しています。
デザインとか見た目も大事だけどストーリーも大事。
古いものにはストーリーがいっぱいあります。
ストーリーがあるとお客さんはリラックスでき、ゆっくりできます。

下田新聞
ボロボロの倉庫がいい!すごい侘び寂び感ですね(笑)
自分が抱いていたwabi-sabiカフェの印象はバリ島ウブドにある美しいアジアンリゾートカフェでした。

Yasuさん
そういう風に言ってくれる人もいっぱいいるし、僕たちウブドとか行ったことないんで分かんないんすけど、そういう風に感じて頂けたらそれはそれで嬉しいな。
絶対これだからこういう風に味わえっていうんじゃなくて、僕たちがやったアクションをどう解釈して頂くかは自由で、それがポジティブなバイブレーションで広まったらいいなって思います。

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Retreat wabi-sabiゲストハウス内キッチンには、天然の石がせせり出ている。

というか、巨大な石の斜面に建物をかぶせたようなヘンテコで面白い作りだが、この岩があることで他のどこにもない特別で非日常な空間が作られていて良い。

数十年前に誰がどんな意図で岩を生かしつつこの建物を建てたか、そんな気持ちや思いをアンジェラさんとヤスさんが思い巡らし、岩を残したままオシャレな共有スペースに変身させたのだろう。

自分たちで完全に新しいモノを生み出すのではなく、その土地や人やモノのストーリーを引き継いで新たなものを作る。

この考え方は、本質的にクリエイティブな思考だと思うし、観光・街づくりを考える上でのキーワードだとも思う。

数十年後、寂びていった時に美しさや情緒を感じられるようにできないか、全て新しくするんじゃなく思いやストーリーが感じられるものは残した方が楽しい、こういう考え方はとっても素敵。

都会でクリエイティブな仕事をされている方々にここを是非お勧めしたい。
このwabi-sabiカフェからいろんな発見やインスパイアがあることと思います。

ちなみに、wabi-sabiカフェの営業期間は8月いっぱいまでは毎日営業。

9月は基本土日営業のみ、宿泊のお客さんが居れば営業するかもしれないし、詳しくはfacebookをみてくださいとのこと。

今年の3月に白馬のtabi-tabiを引き払い、今は下田の2つのゲストハウスとwabi-sabiカフェを営んでいるお2人だが10月以降の営業は未定だという。

ただ2018年のゴールデンウィークと7〜9月は必ずやりますよ、と力強い宣言がありました。

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取材先:wabi-sabiカフェ
住所:静岡県下田市吉佐美2735
営業時間:9:00~20:00頃  (GW/ハイシーズン7月〜9月)
 ※上記期間以外も営業する場合あり
定休日:不定期
TEL:090-6513-5578
WEB: http://wabisabishimoda.com/
https://www.facebook.com/retreatwabisabi/
駐車場: 約10台 
座席: 15席
アクセス:下田駅より車で約12分

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